【OpenStackチャレンジ】 第7回 DevStack~All-In-One Single Machine編

2016.1.31


DevStackを使用して、OpenStackを構築しよう!

photo-1432821596592-e2c18b78144f.jpg

今回は、OpenStackの公式デプロイツールであるDevstackを利用して、OpenStackのインストールを紹介したいと思います。
DevStackの公式サイトには様々なインストール例が記載されていますが、今回はその中から基本中の基本「All-In-One Single Machine」の構成でインストールしていきます。

DevStackの環境について

■ハードウェア環境
・CPU:2コア以上
・メモリー:4GB以上
・ドライブ空き容量:15GB
・物理NIC:インターネット接続
・物理NIC:OpenStackコンポーネットワーク接続

■ソフトウェア環境
OS:Ubuntu,Fedora,RHEL(全て現行バージョン)
データベース:MySQL,PostgreSQL
メッセージブローカー:RabbitMQ,Qpid
Webサーバ:Apache
ネットワーク:FlatDHCP(シンプルで標準的なネットワーク構成)

DevStackは、デフォルト状態で以下のサービスを提供します。
各サービスについては「【OpenStackチャレンジ】 第2回 コンポーネント紹介編」参照してください。
・keystone
・swift
・glance
・cinder
・nova
・horizon
・heat

今回は、以下環境においてDevStackを利用して、VirtualBox上にOpenStackのインストールをします。
・CPU:2コア,4スレッド
・メモリー:8GB
・ドライブ空き容量:70GB
・物理NIC:無線LAN(インターネット接続)
・物理NIC:有線LAN(内部ネットワーク接続)
・仮想化ソフトウェア:Virtual BOX (ver4.3.26)
・ホストOS:Windows7
・ゲストOS:Ubuntu Server 14.04.3 LTSDVSINS-02.PNG

Ubuntu Serverをインストールしよう

Ubuntuのサイトにある「Download」タブの「Server」をクリックして、Ubuntu Server 14.04.3 LTSをダウンロードしてインストールしましょう。DevStackでは最小構成でインストールされたUbuntu Serverから実行することが推奨されています。クラウド環境でインストールを試してみたい方も多くおられるでしょうが、公式クラウドイメージではDevStackの動作は確認できませんでした。インストールから自身で実施しましょう。

Ubuntu Serverのインストール設定は、以下通りに行います。

設定項目 設定
初期起動時の言語 English
起動 Install Ubuntu Server
インストール言語 English - English
地域 other→Asia→Japan
国名と言語 United States - en_US.UTF-8
キーボードレイアウト検出 No
キーボード言語 Japanese→Japanese
DNSに接続可能なNIC eth0: Ethernet
ホスト名 ubuntu
ユーザ名 ubuntu
ユーザ名 ubuntu
パスワード ubuntu
パスワード再入力 ubuntu
パスワードの脆弱性 Yes
ホームディレクトリーの暗号化 No
タイムゾーン Asia/Tokyo
パーティション設定 Guided - use entire disk and set up LVM
パーティション選択 変更せず
パーティション書き込み Yes
パーティションサイズ 変更せず
パーティションディスクへの書き込み Yes
HTTP proxy 設定しません
アップグレード No automatic updates
ソフトウェア OpenSSH serverのみを選択します
GRUB Yes
インストール完了 Continue

OpenSSH serverをインストールしたので、ポート番号22番を空けましょう。DVSINS-94.PNGDVSINS-95.PNG

DevStackでOpenStack構築しよう

まずは、システムをアップデートしておきましょう。
$ sudo apt-get update

次に、DevStackをインストールするためのユーザ(stack)を作成します。パスワード以外の入力項目はデフォルトのままで問題ありません。
$ sudo adduser stackDVSINS-03.PNG

ユーザが登録出来たことを確認しましょう。
$ cat /etc/passwd | grep stack
$ su - stack
$ pwd
$ exitDVSINS-12.PNG

作成したstackユーザにパスワードなしで実行可能なsudo特権を付与するために「/etc/sudoers」を編集します。
$ ls -l /etc/sudoersDVSINS-59.PNG 編集権限しか設定されていないので、visudoコマンドを使用します。
「/etc/sudoers」に編集権限を設定して編集するのは、sudoコマンドが異常動作する事があるので控えたほうがよいでしょう。
最終行に「stack ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL」を追加し、[Ctrl]キーと[x]キーを同時に入力し、[y]キーを入力し、[Enter]キーを入力します。
$ sudo visudo -f /etc/sudoersDVSINS-19.PNG

ネットワーク構成は、以下のようにしました。DVSINS-0001.PNG

再び、ubuntuユーザからstackユーザに変更します。
$ su - stack
password:[パスワード]
$ pwd

devstackをクローンしましょう。
$ git clone https://git.openstack.org/openstack-dev/devstackDVSINS-45.PNG

local.confを作成し、以下の設定を行います。。
$ cd devstack
$ vi local.conf

[[local|localrc]]
ALL_PASSWORD=ubuntu
FLOATING_RANGE=10.0.2.0/24
FIXED_RANGE=192.168.1.0/24
FIXED_NETWORK_SIZE=256
FLAT_INTERFACE=eth0
ADMIN_PASSWORD=$ALL_PASSWORD
DATABASE_PASSWORD=$ALL_PASSWORD
RABBIT_PASSWORD=$ALL_PASSWORD
SERVICE_PASSWORD=$ALL_PASSWORD
HOST_IP=192.168.137.8

ALL_PASSWORD:全てのパスワードを同じにするために使用する環境変数です。今回の場合、「ubuntu」に設定します。
FLOATING_RANGE:インターネット接続用のネットワークアドレスです。仮想マシンインスタンスはこのネットワークアドレスを使用してインターネットとの通信をします。
FIXED_RANGE:仮想マシンインスタンスのための内部ネットワークアドレスです。
FIXED_NETWORK_SIZE:FIXED_RANGEのネットワークアドレスの中のアドレス数です。ネットワークマスクが「/24」の場合、「256」になります。
FLAT_INTERFACE:インターネット接続用のインターフェースです。上記の場合、「eth0」になります。
ADMIN_PASSWORD:OpenStackの仮想マシンインスタンス等を作るADMINユーザのパスワードです。
DATABASE_PASSWORD:データベースにログインするためのパスワードです。
RABBIT_PASSWORD:Rabbitmqにログインするためのパスワードです。
SERVICE_PASSWORD:各サービスはKeystoneによる認証を利用するために、サービス自体をKeystoneに登録するためのパスワードです。
HOST_IP:OpenStackにブラウザでアクセスするためのIPアドレスです。

以上で準備は完了しました。
インストールには1時間前後かかりますし、失敗することもよくあることなので、ここでVirtualBoxを停止して、スナップショットを取っておく事をお勧めします。
VirtualBoxを再起動して、DevStackを使用して、OpenStackをインストールしましょう。
$ ./stack.sh

以下のように表示できれば、インストールに成功しています。DVSINS-57.PNG

ブラウザで「http://192.168.137.8/dashboard」にアクセスします。DVSINS-41.PNG

ユーザー名に「admin」、パスワードに「ubuntu」を入力すると、システム概要が表示されます。DVSINS-58.PNG

簡単に、OpenStackを操作してみましょう。

インスタンスを作成し、削除してみよう

デフォルトでcirrosイメージが登録されている為、それを利用してインスタンスを起動してみましょう。
「インスタンスの起動」をクリックして、インスタンスを作成します。DVSINS-69.PNG

「インスタンスの起動」ウィンドウを使用して、仮想マシンインスタンスの設定を以下のように行い、「起動」をクリックします。DVSINS-70.PNG

数秒間でインスタンスが起動されました。DVSINS-73.PNG

概要で確認すると、以下のように表示され、1CPUで、64MBメモリーを使用していることが分かります。DVSINS-85.PNG

同じようにして、もう1台のインスタンスを起動してみましょう。DVSINS-74.PNG

2台のインスタンスが起動できたので、1台の仮想マシンインスタンスを削除してみます。チェックボックスにチェックを入れて、「インスタンスの削除」をクリックします。DVSINS-79.PNG

「インスタンスの削除の確認」ウィンドウが表示されるので、「インスタンスの削除」をクリックします。DVSINS-80.PNG

インスタンスが削除できました。DVSINS-81.PNG

インスタンスにログインしてみよう

日本語キーボードを使用していると、cirrosのパスワードである「cubswin:)」の「:」と「)」が打てません。
そんなときはIMEのキーボードを英語配置にすると解決します。

言語バーを右クリックして「設定」をクリックします。

DVSINS-100.PNG

「テキストサービスと入力言語」ウィンドウを起動し、「追加」をクリックします。DVSINS-75.PNG

「入力言語の追加」ウィンドウで、英語(米国)、キーボードのUSにチェックを入れて、「OK」をクリックします。DVSINS-76.PNG

英語(米国)、キーボードのUSが追加されていることを確認して、「追加」をクリックします。DVSINS-77.PNG

言語バーにJPと表示されている部分をクリックして、英語(米国)にチェックを入れて、キーボードを英語配列に変更します。変更されると言語バーにENと表示されていれば、設定完了です。DVSINS-89.PNG

DVSINS-91.PNGDVSINS-90.PNG

「VM1」をダブルクリックした後、「コンソール」をクリックします。
「コンソールのみを表示するにはここをクリックします」をクリックします。DVSINS-81.PNGDVSINS-87.PNG

「コンソールのみを表示する」をクリックします」をクリックします。

ログインプロンプトが表示されるので、ユーザ名に「cirros」、パスワードに「cubswin:)」を入力します。注意するのは、「:」を入力するためには[Shift]キーと[;]キーを入力します。「)」を入力するためには[Shift]キーと[0]キーを入力します。「$」プロンプトが表示されれば、ログイン成功です。DVSINS-92.PNG

ログアウトするには「exit」コマンドを入力します。
ログインプロンプトが表示されれば、ログアウト成功です。DVSINS-93.PNG

ウィンドウを閉じるには右上の「×」をクリックします。

VirtualBoxを停止し、再起動した場合ときなど

以下のように表示されることもあります。DVSINS-42.PNG

この場合、Tera Termを使用してユーザ名「stack」、パスワード「ubuntu」でSSH接続します。
そして、「./rejoin-stack.sh」コマンドを入力します。
$ cd devstack
$ ./rejoin-stack.shDVSINS-98.PNG

しばらく待つと、たくさんのログが出力されて以下のような画面になります。これはdevstackがscreenコマンドを使用して複数のログを画面上に出力している状態です。DVSINS-63.PNG

screenを切替てみましょう。

[Ctrl]キーと[A]キーを入力し、[N]キーを入力すると、ログが切り替わります。DVSINS-65.PNG

10数回、[Ctrl]キーと[A]キーを入力し、[N]キーを入力すると、以下の表示になります。元のプロンプトでコマンドを打つこともできます。DVSINS-67.PNG
[Ctrl]キーと[A]キーを入力し、[D]キーを入力すると、screenを終了することができます。DVSINS-68.PNG

screenに戻りたい場合は、「screen -rd」コマンドを入力します。
$ screen -rd

おわりに

誰でもが所有していそうなハードウェアとVirtualBoxを利用して、OpenStackがインストールできてしまいます。OpenStackに興味はあるが、試すことに躊躇している人々に、OpenStackを試す良い切っ掛けになればと思っています。公式サイトには様々なインストール例が記載されています。「Using DevStack with neutron Networking」も試してみましたが、こちらも正常に動作することが確認できました。

インストール途中で止まってしまうことも何度かありましたが翌日に、再インストールするとインストールできるということもありました。jpのubuntuレポジトリで一時的に不具合が発生している可能性もありますので、その場合はusのレポジトリを使用するか、時間を空けて再チャレンジしてみましょう

文:河合 紀彦

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