【SDNチャレンジ】 第27回 OpenMUL編

2015.11. 6


OpenMULを使ってみよう!

photo-1440558899941-2b58b4b0e6ad.jpg

嬉しい事に、このブログで紹介できたOpenFlowコントローラの数も大分増えてきました。今回はまだ手を付けていなかった内の1つとして、「OpenMUL」にスポットを当ててみたいと思います。

OpenMULはOpenMUL Foundationにより提供されているOpenFlowコントローラであり、公式ページを確認したところ以下の様な特徴を持つ様です。

・C言語で記述され、ホスティングアプリケーションに対する多様なノースバウンドインターフェースをサポート。
・OpenFlow1.0、1.3、1.4といったSDNサウスバウンドプロトコルに対応。
・ミッションクリティカルなネットワークを展開していく際、その性能や信頼性を担保することが目的。

sheet2.png

因みにMULは、サンスクリット語で"基礎、起源"の意で、これが名称の由来となっているそうです。その他情報は少なく、日本語で解説をしているページは探した限りではほぼ見つかりませんでした。

試行錯誤する良い機会ですので、早速インストールから始めてみようと思います!

OpenMULをインストールしよう

cropped-open-mul_bi.png

はじめに、インストール環境の確認です。

・仮想OS:Ubuntu (ver14.04)
・仮想化ソフトウェア:Virtual BOX (ver4.3.26)

こちらからソースコード、VMイメージをダウンロードする事が可能ですが、今回はソースコードからインストールを実行します。VMイメージをダウンロードし、VirtualBoxの「ファイル」>「仮想アプライアンスのキーボード」を利用することでもOpenMULをインストールできましたが、この手順の場合は、キーボードがキートップに表示された通りに入力できないという事象が発生してしまいました...。
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install -y git
$ git clone https://github.com/openmul/openmul.git

OMULINS-18.PNG

続けてビルドを行い、必要なパッケージ/モジュールをインストールします。
$ cd openmul
$ ls
$ ./build.sh

OMULINS-11.PNG

インストールはこれで完了!非常に簡単に済んでしまいました。openmul/docsディレクトリには各種ドキュメントがpdfファイルで格納されています。(当然ですが、全て英語です)

OMULINS-126.PNG

では、少しずつ実際の動作をさせていきましょう。

OpenMULをMininetに接続しよう

Mininetのインストール方法についてはコチラをご参照下さい。Net2-MN.png因みに実際にMininetをインストールした際は、OpenMULとの依存関係からか、loxigen、oflops、oftest、openflow、poxが同時にインストールされていました。
ls

OMULINS-21.PNG

./mul.shコマンドで、使用可能なオプションを確認できます。
$ cd openmul
$ ./mul.sh

OMULINS-22.PNG

せっかくですので、それぞれについて簡単に調べてみました。

init...openMULを初期化。

start standalne...OpenMULのコア/CLI/API Webサーバを起動。

start l2switch...OpenMULのコア/L2スイッチ/CLI/API Webサーバを起動。

start fabric...OpenMULのコア/L2スイッチ/CLI/API Webサーバを起動。fabricは複雑なネットワークでパケット転送を実行する。例えばループが存在するネットワークやホストが多数接続されているネットワークで、1対1のホストで構成する仮想的なネットワークを構築し、パケット転送を行う。

start prism...OpenMULのコア/topology/prism framework/path connector service/API Webサーバを起動。prism(Perfect Routing Integration of Sdn using Mul)は、迅速に変更可能なネットワークを維持するため、管理プレーンの簡単化と集約化の不足を解決すべく、モジュール式のアプローチを採用する。集約化された管理プレーンによって一つの制御プレーンをOpenFLowスイッチ間で横断させるようにルーティングする。

start prism-fabric(ドキュメント記載なし)...openMULのコア/topology/prism framework/path connector service/fabric/API Webサーバを起動。

start-ha l2switch <HA-IPaddr>(ドキュメント記載なし)...OpenMULのコア/L2スイッチ/CLI/API Webサーバを起動し、冗長構成を構築。

start-ha fabric <HA-IPaddr>(ドキュメント記載なし)...OpenMULのコア/L2スイッチ/CLI/API Webサーバを起動し、冗長構成を構築。

stop...openMULの全プロセスを停止。

特にfabricとprismについてはマニュアルを参照してみましたが、実際に理解するにはもう少しかかりそうですね....。

最初にOpenMULを初期化し、L2スイッチとして起動させてみましょう。
$ ./mul.sh init

OMULINS-23.PNG

$ ./mul.sh start l2switchOMULINS-15.PNG

MininetをOpenMULに接続し、pingallコマンドで動作を確認すると、結果は成功しました!
$ sudo mn --controller=remote,ip=192.168.137.8,port=6653
mininet> pingall

OMULINS-16.PNG

OpenMULはOpenFlow1.3にも対応するとの事なので、以下コマンドを入力して試してみます。
$ sudo ovs-vsctl set Bridge s1 protocols=OpenFlow13

最初の数回はpingが通らず、失敗したかとも思ったのですが、少し待つと成功しました。感覚値では10秒ほどでしょうか。OpenMULをOpenFlow1.3に対応させるコマンドは特に必要ありませんでした。
OMULINS-33.PNG

OpenMULをOpen vSwitch(Raspberry Pi2)に接続しよう

次に、OpenMULとOpen vSwitchの接続も試してみようと思います。Raspberry Pi2へのOpen vSwitchインストールについてはコチラをご参照下さい。

Net2-OVS.png

OpenMULの起動方法は、前項Mininetの場合と同じです。Open vSwitch(Raspberry Pi2)の接続方法については、以下コマンドをご確認下さい。
pi@raspberry~$ sudo ovs-vsctl set-controller br1 tcp:192.168.137.8:6653

Host1とHost2の間でpingによる疎通確認を行うと、Open vSwitchにフローが登録されていることを確認できました。動作確認は成功の様です!
pi@raspberry~$ sudo ovs-ofctl dump-flows br1
OMULINS-28.PNG

ではMininet同様、Open vSwitch(Raspberry Pi2)をOpenFlow1.3で使用するコマンドを入力します。
pi@raspberry~$ sudo ovs-vsctl del-controller br1
pi@raspberry~$ sudo ovs-vsctl set bridge br1 protocols=OpenFlow13
pi@raspberry~$ sudo ovs-ofctl -O OpenFlow13 dump-flows br1

Host1とHost2の間でpingによる疎通確認を行うと、Open vSwitchに登録されたフローも確認できました!OMULINS-34.PNG

OpenMULのcliコマンドを実行しよう

まずは、telnetでポート番号10000に接続します。
$ telnet localhost 10000OMULINS-35-1.PNG

「?」を入力するとヘルプが表示されます。何となくCiscoのコマンド体系に似ていますね。OMULINS-44.PNG

「enable」コマンドを入力し、特権モードに移行すると、コンフィグの内容が確認できます。
> enable
#OMULINS-35-2.PNG

# show running-configOMULINS-40.PNG

内容を推察するに、OpenFlowスイッチの設定はmul-confモードで行うようです。
# configure terminal
(config)# mul-conf

OMULINS-41.PNG

OpenFlowスイッチの設定を行うmul-confモードから戻るにはexitコマンドを入力します。
(mul-main)# exitOMULINS-42.PNG

全てをコマンドについて試すことはできませんでしたが、代表的なコマンドを実行してみました。

OpenFlowコントローラに接続されている全てのOpenFlowスイッチを表示できます。
# show of-switch allOMULINS-35-3.PNG

接続されているOpenFlowスイッチのdatapath-idとバージョンとポートリストを確認することができます。OpenFlow1.0の場合は「0x1」、OpenFlow1.3の場合は「0x4」と表示されます。
# show app-switch allOMULINS-46.PNG

OMULINS-47.PNG

接続されているOpenFlowスイッチのfeatureを表示できます。OpenFlowコントローラはOpenFlowスイッチからfeatureを取得しますが、表示できたのは初めてだと思います。
# show of-switch [Datapath-id] general-featuresOMULINS-36.PNG

OpenFlowコントローラに登録されている全てのフローを表示できます。
# show of-flow allOMULINS-37.PNG

おわりに

OpenMULのインストールはGitHubに記載されている通りで非常に分かりやすかったです。OpenFlow1.0とOpenFlow1.3の両方に対応しているOpenFlowコントローラはこれまでにもありましたが、OpenFlowのバージョン変更に自動対応するのはOpenMULの個性の1つであると思います。便利ですし、OpenMULに関わる人々のモチベーションを感じました。

Ciscoに似たコマンド体系のCLIについては、OpenFlowプロトコルを実装する点にも驚かされました。一方、オプションで紹介したfabricやprismについては、まだその機能を十分に理解し切れていない様に感じています。

前述の通り、現状は日本語のページについてはインストール手順すら確認できませんので、私達と同じ様にOpenMULに興味関心を持った方々のサポートができる様、引き続き進めていければと思います。

今回も最後までお付き合いを頂き、ありがとうございました。
ocean_glance.jpg



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