【SDNチャレンジ】 第23回 OpenDaylightユーザ会に参加しました/Lithiumインストール編

2015.10. 9


OpenDaylight Tokyo User Group Meetupに参加してきました!

light2.jpg

9/26(土)に東京・渋谷で開催された「第3回 OpenDaylight Tokyo User Group Meetup(以下ユーザコミュニティ)」に出席をしてきました。今回は、当日の内容を主としてご紹介できればと思います!

user.jpgOpenDaylightに限らず、他のOSS(オープンソース・ソフトウェア)でもコミュニティの活動は開発・発展の基盤となっています。ユーザコミュニティでは勉強会や外部への普及、参加者同士の親睦を深めながら、ユーザ目線での貢献を目的としています。

当日は2015年6月末にリリースされた、OpenDaylightの3rdリリースソフトウェア「Lithium」の概要説明とインストールのハンズオンがありました(2ndリリースの「Helium」についてはコチラ)。更には、4thリリースが予定される「Belilium」の最新動向や開発側の現状など、中々聞くことのできない情報を共有して頂きました。せっかくなので、このブログを読んで頂いている皆さんにもお伝えできればと思います!

OpenDaylight 「Lithium」のご紹介


「Lithium」はODLの3rdリリースソフトウェアです。横表の通り、これまでは約半年に1度のペースで新規リリースが発表されてきました。因みに各リリースの名称には、元素名が順につけられています。以降は順次安定版がリリースされ、バグやセキュリティ脆弱性等に対応してきました。

ODL_リリース年表.png

OpenDaylightでは、機能ごとに独立したプロジェクトが組織され開発が進められています。そういった点ではOpenStackと似ているかもしれませんね。「Lithium」では合計48プロジェクトが存在しますが、「Helium」との比較で考えると、新たに17の新規プロジェクトが誕生し、その内の半数以上が"プラットフォーム強化"を目的としています。

Lithiumを扱ってみよう!

ODL logo.png

「Helium」の操作については以前経験をしましたが、その時と何か差異はあるのでしょうか。以下の環境を準備し、インストールから実施しました。

〈今回の構成〉
・仮想OS:Ubuntu (ver14.04)
・仮想化ソフトウェア:Virtual BOX (ver4.3.26)

OpenDaylightのインストールには、Javaのバージョン1.7.0が必要となります。以下コマンドの後に、画像と同様の出力結果を確認した場合は、まだJavaのパッケージがインストールされていないため、予め対応する必要があります。
$ java -version

1.png

リスト内からopenjdk-7-jre-headlessをインストールします。画像の通り出力されれば、インストールは成功です!
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install -y openjdk-7-jre-headless
$ java -version

2.png

OpenDaylightの公式レポジトリからイメージファイルをダウンロードする事ができます。平均10分ほどで完了します。
$ wget https://nexus.opendaylight.org/content/groups/public/org/opendaylight/integration/distribution-karaf/0.3.1-Lithium-SR1/distribution-karaf-0.3.1-Lithium-SR1.zip

ファイルを解凍すると、画像の様にディレクトリが作成された事を確認できました。
$ unzip distribution-karaf-0.3.1-Lithium-SR1.zip
$ ls

4.png

では、カレントディレクトリを移動した上で「Lithium」を起動してみます。"OpenDaylight"という文字が出力され、"opendaylight-user@root"という様にプロンプトが変更されれば成功です。
$ cd distribution-karaf-0.3.1-Lithium-SR1/
$ ./bin/karaf

5.png

この「Lithium」に様々な機能を持たせるため、ユーザは自ら明示的に「Feature」を追加する必要があります(ここまでインストールしたのは、OpenDaylightというハコモノといったイメージです)。2ndリリースの「Helium」以降、この様な仕様に変更となりました。今回は、「Helium」インストール時と同様、以下のFeatureを追加することにしました。
opendaylight-user@root> feature:install odl-restconf odl-l2switch-switch odl-mdsal-apidocs odl-dlux-core

では、http://192.168.137.8:8181/index.htmlにアクセスしてみます(赤文字部分は「Lithium」をインストールしたUbuntuのIPアドレスです)。Username/Password共に「admin」でログインが可能です。早速トポロジ画面を確認すると、「Helium」とは異なり、この時点ではまだ何も表示(認識)されていません。どうやら「Lithium」ではこれが標準の様です。実際にノードを表示させるため、次に進んでいきましょう。

6.png

●「Lithium」とMininetの接続

Mininetのインストールは事前にご紹介をしておりますので、そちらをご参照頂ければと思います。以下コマンドで、Mininetの全ホストの接続性が確認できます。
$ mininet> sudo mn --test pingall

8 .ping.png

では「Lithium」に接続した状態でMininetを起動し、pingallを実行します。
$ sudo mn --controller=remote
$ sudo ovs-vsctl set Bridge s1 protocols=OpenFlow13
mininet> pingall

9.png

トポロジが表示されました!

●「Lithium」とOpen vSwtich(Raspberry Pi2)の接続

こちらについても、事前に必要なRaspberry pi2へのOpen vSwitchインストールは以前ご紹介しています。まずは、Open vSwitchのフローが登録されていない事を確認します。
pi@raspberry~$ sudo ovs-ofctl -o OpenFlow13 dump-flows br

razupaiセット.png因みにsudo ovs-ofctl dump-flows br1では、前回のTrema-edgeと同じエラーが検出され、フローの確認ができませんでした。この事から、「Helium」はOpenFlow1.3に対応するものである事が分かります。

TEINS-53.PNG

Open vSwitchに架空のコントローラが存在している事がありますので、予め消去しておきます。Open vSwitchをOpenFlow1.3に対応する様設定し、コントローラである「Helium」と接続します。
pi@raspberry~$ sudo ovs-vsctl del-controller br1
pi@raspberry~$ sudo ovs-vsctl set bridge br1 protocols=OpenFlow13
pi@raspberry~$ sudo ovs-vsctl set controller br1 tcp:192.168.137.8

この状態で、Open vSwitch配下のHost1とHost2の間でPingによる疎通が可能になるはずです。その上で、Open vSwitchのフローを確認してみましょう。
pi@raspberry~$ sudo ovs-ofctl -O OpenFlow13 dump-flows br1

razupai通った後のフロー.png

ブラウザ上でも、トポロジが表示されているのを確認できました!

ラズパイでも繋がりました.png

以上、インストールと簡単な動作試験をしてみました。ここまでは「Helium」と異なる部分はなさそうかな?という感想です。OpenDaylightの特徴として、視覚的に接続状態を確認できる点が挙げられますが、開発側からすると、こういったGUI開発に今後パワーを割く事はせず、ほぼRESTで動作をさせていくイメージを持っているとの事でした。

今後のOpenDaylight

2015年7月に開発がスタートした4thリリースの「Belilium」も、実はリリースが目前に迫っています。2016年2月にリリースが予定されていますが、当日は最新の動向について共有をして頂きました。

Brocade社のVyattaコントローラの様に、各ベンダがOpenDaylightを商用開発したいというニーズが高まりもあり、更に多くの新規プロジェクトが生まれています(「Lithium」より10以上が既に誕生)。そんな中で、以下3つのトピックが注目をされている様です。

クラスタリング・・・OpenDaylightを複数のデバイス上で動作させる事で、スケーリングの達成を目指しています。基盤機能は「Lithium」で実装されたため、今後はこの基盤をどう活用していくかに焦点があたっています。

Multiple writer issue議論・・・OpenDaylightは、様々なアプリケーションを動作させるプラットフォームですが、複数のアプリケーションを同時実行すると、各々が違うポリシーで動作するため矛盾する内容を機器に指示してしまう事があります。この矛盾に着手すべく議論が生まれているとのことでした。

Stable Featureの認定・・・数多くのFeature群から安定しているものをStable Featureとして認定し、ユーザの利便性を高めようとしています。

おわりに

最後に、ユーザコミュニティで印象に残ったお話を少しだけ。

上述した様にOpenDaylightでは、各機能毎にプロジェクトが組織され、個別に開発が進められてきました。技術委員会は存在していますが、なるべく個々のエンジニアから挙がったアイディアや創造性を尊重しプロジェクトとして挑戦させる、分散型組織であるのがOpenDaylightの特徴との事でした。

一方で、現状では続々と誕生する新規プロジェクトのほとんどが、特定の一社による単独開発であり、また自社製品の開発に繋げたいベンダが主体となっている様です。今後はよりダイバーシティ色が強く、企業の垣根を超えた開発が進む事に期待をしているとの事でした。そういった意味でも、今回参加をした様なユーザコミュニティの存在意義もあるのではないでしょうか。

ユーザコミュニティは誰でも無料で参加できます。皆さんも次回開催時は参加されてみてはいかがでしょう。

今回も最後までお付き合いを頂き、ありがとうございました。

light4.jpg



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