【ウェブサイトのロードテストをする】 第3回 Tsung編

2015.8. 4


ロードテストソフトウェア Tsung

tsung-header.jpg

シリーズ3回目となる今回は、Tsungを使ってウェブサイトのロードテスト(負荷試験)を実施します。

これまでにもApache JMetercurl-loaderといったソフトをご紹介してきましたが、Tsungの特徴はErlangで記述されたHTTP、WebDAV、SOAP、PostgreSQL、MySQL、LDAPおよびJabber/ XMPPサーバー向けロードテストソフトウェアであることです。Earlangで記述されているため、並列動作することに関しては期待できそうです。

ロードテストの準備をしていこう

使用するOSについては、今回はDebianを選択しました。前々回はWindows、前回はFedoraときて、今回はDebianか!と思われてしまいそうですが、完全に個人的趣向によるものです。お付き合いを頂ければと思います。

  • OS: Debian 8
  • Tsung version 1.5.1

リポジトリからソースを取得しコンパイルする必要があるので、必要なソフトウェアを入れておきます。(gnuplot以降のソフトウェアはログ出力時に利用します)
$ sudo apt-get install -y git make autoconf erlang gnuplot libtest-leaktrace-perl libtemplate-perl python-matplotlib

次にTsungをインストールしていきます。サイトからアーカイブされたものを取得することも可能ですが、Githubで公開されているため今回はそちらから取得を行いました。
$ git clone https://github.com/processone/tsung.git
$ cd tsung
$ git checkout v1.5.1
$ ./configure
$ make
$ su
# make install

ここまででTsungを使用できる準備が整いました。今回の記事ではご紹介していませんが、Tsungには複数クライアントからのロードテストを実施する機能があります。

Tsungの使用方法

Tsungを使用する際には、以下コマンドを実行します。
$ sudo tsung -f <コンフィグファイル> start

Tsungでは設定ファイル(xml)を用いて、ロードテストを実施します。 インストールが正常に完了していれば、ディレクトリ/usr/share/doc/tsung/examples に各設定ファイルが格納されています。今回はその中からhttp_simple.xmlを参考にして、以下のようにコンフィグを書きました。

$ vi /usr/share/doc/tsung/examples/http_simple.xml

<?xml version="1.0"?>
<!DOCTYPE tsung SYSTEM "/usr/share/tsung/tsung-1.0.dtd">
<tsung loglevel="notice" version="1.0">

  <!-- クライアント側設定 -->
  <clients>
    <!-- 複数クライアントから同時にアクセスする場合は行を増やす -->    
    <client host="localhost" use_controller_vm="true"/>
  </clients>

  <!-- アクセスするサーバの設定 -->
  <servers>
    <!-- テストのためVMで動かしているサーバを利用 -->
    <server host="10.0.2.15" port="8080" type="tcp"></server>
  </servers>

  <load>
   <!-- 1分間、フェーズ1を実施する -->
   <arrivalphase phase="1" duration="1" unit="minute">
     <!-- 1秒毎に5ユーザずつ増やしていって、最大50ユーザまで増やす -->
     <users arrivalrate="5" maxnumber="50" unit="second"></users>
   </arrivalphase>
   <!-- 10分間、フェーズ2を実施する -->
   <arrivalphase phase="1" duration="10" unit="minute">
     <!-- 1秒毎に10ユーザずつ増やしていって、最大10000ユーザまで増やす  -->
     <users arrivalrate="50" maxnumber="10000" unit="second"></users>
   </arrivalphase>
  </load>

  <!-- オプション設定  -->
  <options>
   <!-- ユーザエージェントを定義(半々でアクセス) -->
   <option type="ts_http" name="user_agent">
    <user_agent probability="50">Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/43.0.2357.81 Safari/537.36</user_agent>
    <user_agent probability="50">Mozilla/5.0 (Windows NT 6.1; WOW64; rv:38.0) Gecko/20100101 Firefox/38.0</user_agent>
   </option>
  </options>


  <!-- セッション設定  -->
  <sessions>
   <!-- セッション毎にどちらかのセッションを見に行く -->
   <session name="http" probability="50" type="ts_http">
     <!-- このセッションでアクセスするページを指定(一連の動作を記述する) -->
     <request> <http url="/" method="GET" version="1.1"></http> </request>
     <request> <http url="/corporate/access.html" method="GET" version="1.1"></http> </request>
     <thinktime min="1" max="5" random="true"></thinktime>  <!-- 1秒から5秒の間ランダムで止まる -->
     <request> <http url="/world/" method="GET" version="1.1"></http> </request>
   </session>
   <session name="http" probability="50" type="ts_http">
     <request> <http url="/osp_blog/" method="GET" version="1.1"></http> </request>
   </session>
  </sessions>
</tsung>

各値の意味や書き方などの資料はこちらにあります。XMLが分かる方であればローカルにDTD(今回の例では/udr/share/tsung-1.0.dtd)がありますので、取り得る値等はそちらで確認できます。編集が終わったら実行をしましょう。
$ sudo tsung -f http_simple.xml start

この後、多少のメッセージが出力されます。もしConfig Error, aborting !と出力された場合はコンフィグが間違っているので、同時に出力されるエラー箇所の修正をして下さい。ロードテストが完了すると下記のようにログが保存されます。(オプションでログ出力場所を変更することもできます)
~/.tsung/log/<日付>-<時間>/

出力されたログについては、中身を確認してもほとんど理解できません。Tsungにはレポート出力のスクリプトもあるので、それを使って変換したものを確認していきましょう。

レポート出力

レポート出力のためにはtsung_stats.plかtsplotを使用します。
tsung_stats.plはHTML形式+グラフで出力します。tsplotはtsung_stats.plで出力されるグラフ画像より大きいサイズで出力します。

(tsung_stats.plを使用する場合)
$ /usr/lib/tsung/bin/tsung_stats.pl --stats <ログ出力先>/tsung.log

tsung001.jpg

(tsplotを使用する場合)
$ tsplot "任意の文字列" <ログ出力先>/tsung.log

graphes-HTTP_CODE-total.png

コンフィグファイルの生成

これまでご紹介した手順だけでは、指定したページへのアクセスにのみロードテストを実施する可能性があります。手動で全アドレスを追記して対応するのは面倒なので、Tsungをインストールした際に一緒にインストールされるtsung-recorderというプロキシを使用しましょう。 tsung-recorderはウェブブラウザで行った読み込みを全てコンフィグファイルに落としてくれます。

以下コマンドにより開始します。
$ tsung-recorder start

ローカルにプロキシサーバが実行されている状態になるので、 ウェブブラウザ等でlocalhost:8090を指定してあげればOKです。 操作が完了したらプロキシサーバを停止して記録を終了します。
$ tsung-recorder stop

自動で記録されるのはアクセスしたページ(ファイル)のみとなります。 optionsやloadの項目はご自身で追記する必要がある点にご注意ください。

おわりに

Tsungを使用してリアルタイムに情報を取得する事は難しいですが、一方でログを整形してHTMLに出力するという機能を持つため、結果を確認し易いソフトウェアの様に感じました。 また、SSH通信の設定を行えばクラスタ化も出来ますのでリソースが許す限り負荷をかけられます。

このシリーズも残すところ後1回となりました。最後までお付き合い頂ければと思います。

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